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●バックナンバー
マシナリールブリケーション

マシナリー・ルブリケーション 2008年Vol.2(第11号)

●Vol.2

弊誌は、2001年に創刊された米国版「Machinery Lubrication」をベースに、日本の技術・業界動向記事をプラスしたユニークなマガジンです。機械・設備の効率的な操作・運営とコスト削減を命題に、実践的な情報を提供しています。

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P.2
Pathfinder パスファインダー
SN比について
木村好次(東京大学・香川大学名誉教授)
SN比、“エスエヌヒ”はご存じの方が多いでしょうね。もともとは通信の分野の言葉で、シグナル、つまり伝えたい信号と、ノイズ、そこに混じり込んでくる雑音の比をいいます。その比が高いほど、クリアーに情報が伝わるわけです。今回はそのお話。
電車の中のアナウンスなんかも、SN比に無頓着な例が多いと思うんですよ。乗客にとっては、次の駅はどこか、出口は左か右か、何線は乗換え、その程度のシグナルで十分なのに、やれ忘れ物に気をつけろとか、雨でホームがすべりやすくなっているとか、あるいは交通安全運動の実施中だとか、ひどいときには沿線の関連施設のコマーシャルまで入る。ご親切は分かるんですが、そういう余計な情報はノイズであって、肝腎な情報のSN比を下げてしまい、うっかり聞き逃して乗り越してしまう、なんてことも起きかねない。

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P.4
As I See it 見聞録
泡でアワを食わないためのヒント
ジム・フィッチ(Noria Corp.)
少なくとも2〜3年潤滑の仕事をしてきた読者なら、潤滑油中の空気で苦労された経験があるに違いない。実際、潤滑油にとけ込んだ空気あるいは泡のせいで、保全担当者がすぐに手を打たなければならないような、重大なトラブルが起こることもある。しかしながら、根本の原因は分からないままで終わってしまうことがほとんどで、油の交換でおさまることもあるけれど、それは所詮対症療法にすぎない。
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P.7
Top Interview NTNトップインタビュー
“攻め”が奏功した勢いと速度 材料のプロとして殻を破れ
鈴木泰信(NTN 代表取締役会長)
射るような視線と華やかな笑顔が交互に現れる小柄な紳士。2001年に社長に抜擢され、短期間で業績を好転させた鈴木泰信のオーラは、力強く、温かかった。NTN始まって以来の、技術者叩き上げのトップ。一心不乱に改革に専念してきた経験が、鈴木の考えるリーダー像を確固たるものとした。今やNTNは、世界20か国以上に拠点を持つ大企業だ。世界各国、軸受のNTNで通る。それが、当たり前と思い込むのは危険という。「若い経営者候補に“第一線の者でも緩む”と伝えたい。常に切磋琢磨するところに自らを追い込まなければならないのだから」。技術者として、現場の設備の状態を監視することに神経を使ってきたお陰で、機械を見れば、全てが分かるという。「楽をしたら、必ずしっぺ返しが来る。現場は生きています」。
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P.10
Top Interview フジBC技研トップインタビュー
MQLが変える機械加工の文化 ミストの完全制御を目指す
伊藤満(フジBC技研 代表取締役社長)
オイルを霧状にして加工ポイントに供給する。最小量の油で、最大限の成果を引き出すMQL(Minimum Quantity Lubrication:超微量潤滑油供給)技術は、環境負荷対応を迫られる産業界で、静かなブームを引き起こしている。米国で生まれたコンセプトだが、いつの間にか日本が世界をリードするまでになった。MQL給油機に心血を注ぎ、活動してい るベンチャー企業が名古屋にある。フジBC技研だ。MQLが全社売上高の50%以上を占める企業は、世界にここしかない。MQLとの出会いから、メーカーとして参入するまで約20年。目下の課題はオイルミストの完全制御だ。経験則の集積ではなく、科学的アプローチでワールドスタンダードモデルの実現を目指す。一代でオンリーワン企業を築いた創業者、伊藤満社長に聞く競争力保持の秘訣とは?
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P.14
Case Study 不二越 ケーススタディ
より強く、速く、正確に。
まだ真新しさを残す工場の屋内に、高密度に配置された製造設備の群れ。これらは全て、油圧走行モーターを生産するセル生産方式(1人屋台生産方式ともいう)の加工ラインだ。幅1,200mm、奥行数十mに統一された長方形の各セルに、人影はほとんど確認できない。しかし、いくつかのセルの隙間に、稼働するものがある。この小さな限られたスペース内に、700mmの稼働幅で、まるで知能を有するかのように俊敏に行き来するハンドリングロボットたちである。富山県滑川市に位置する不二越の主力生産拠点の一つ、滑川事業所には、同社の差別化製品― 精密部材、油圧機器、工業炉などを製造するラインが配備されている。その全てが独自の設計思想に基づいたセル生産方式をとっている。そして、不二越が開発した「プレスト」シリーズをはじめとしたハンドリングロボットたちは、主にセル生産の装置間搬送を円滑に進めるための重要なリソースであり、一つのセルを“一つの製造装置”としてまとめる役割もこなす。
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P.18
Hydraulics at Work 油圧設備
油圧シリンダドリフトの根本原因
ブレンダン・ケーシー
油圧シリンダに関してよくある誤解は、ピストンシールに漏れがあるとシリンダがドリフトするというものだ。漏れを起こしているピストンシールがシリンダドリフトの根本原因になりうるとしても、その物理学的理解には往々にして間違いがある。実際、もし複動シリンダからピストンシールを完全に取り除き、シリンダをオイルでいっぱいにして、シリンダの両ポートがふさがれていたら、ロッドシールからの漏れがない限り、シリンダにはいつまでも負荷がかかり続ける。こうした状況では、ピストンの両側の容積が同一でないことと、負荷側の高圧オイルの、低圧側への漏れにより、ピストンの両側の圧力が等しくなり、シリンダは油圧的にロックされた状態になる。いったんこうした状態になると、オイルがロッドシールないしポートを経由してシリンダから漏れ出ない限り、シリンダは動くことができない。
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P.21
Buyers Guide 日米バイヤーズガイド
集中潤滑システムの選び方
デレク・デステファノ&グエン・チュォン(Noria Corp.)
いかに優れた潤滑プログラムであっても、それを確実に実行できなければ機器を適切に維持することはできない。正しい間隔で適切な量の潤滑剤を機械に供給しなければ、大きな損失につながる故障が起きる。集中潤滑システムは、現代の製造ラインに使用されている一般的なツールである。プログラム制御タイマー、潤滑剤ポンプ、潤滑剤注入器を用い、決められた時間、決められた場所に、正確な量の潤滑剤を分配している。ここでは、こうした集中潤滑システムに関する基本的情報はもちろん、市場で入手可能な製品群について述べる。
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P.26
Lubricant Selection 潤滑剤の選択
油圧作動油の難燃性評価法
スチュアート・ジャガー、アンドリュー・ニコル、ジョン・ソーヤ&オーブリー・サイヤ(Health and Safety Laboratory, UK)
火災を発生させないことが最優先、とされる産業は多々ある。そこでは、油圧作動油など燃え易いオイルが使われている。特に、坑道掘削や採鉱に使われるシステムにとっては大きな問題となる。残念ながら、火災による事故は多数起きている。そこでは、鉱油ベースのオイルが燃えて火災の原因になっていることが多い。たとえば、カプラン・ケーブル鉄道の火災が有名である。この分野では、難燃性(FR)の油を開発することで対応を図っており、一般にはオイルに水を添加してオイル/水エマルションにして油圧作動油として使うか、あるいは難燃性に優れた合成系作動油を使用している。従来からの鉱油系油圧作動油を使いつつ、火災防止装置を使用するということも行なわれており、この方法で火災を防止している産業もある。
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P.31
Contamination Control 汚染管理
リペアショップは油圧部品を汚していないか?
スティーブン・アンダーソン(Y2K Fluid Power, Inc.)
装置の信頼性を向上させるため、装置内の汚染(粒子や湿度)やオイルの清浄度標準設定の必要性に、一層の関心が持たれるようになってきた。油圧ポンプやモーター、シリンダー、パワーユニットあるいはシンプルなホースでさえ、リペアショップに送ると、汚染物質が修理部品に入り、さらにはオイルに入り込むような場面がいくつもある。優れた潤滑プログラムを作り上げるための一部として、考慮すべき事項を以下に挙げる。
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P.35
Events IFPEX2008
環境負荷低減策、続々登場 日本の高付加価値を世界へ
マシナリー・ルブリケーション編集部
IFPEX2008(第22回フルードパワー国際見本市)が、パワートランスミッションエキスポ2008を併設し、4月22日から4日間、東京ビッグサイトにて開催された。出展者数は151社/団体。計61,482名の来場者を数えた。今回のテーマは「フルードパワーが追求する環境と安全」。特に、地球温暖化や原油をはじめとするエネルギーコスト急騰の状況下において、各出展各社とも待ったなしの環境対応を迫られているためか、既存製品の改善や、材料・装置の組み合わせ、作業効率の改善など、直ちに現場に適用できる省エネ対策などを狙った発表が揃った。各ブースは、テーマに沿って清浄な水、空気、自然といったイメージを打ち出したものが多かった。
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P.39
Industry Focus フォーカス
食品/飲料工場を成功に導くハウツー
キンバリー・エルドリッジ(Klüber Lubrication)
食品グレード、食品工場、NSF承認、FDAリスト記載、USDA登録など食品機械の潤滑剤に関する用語は数多くある。工場の管理者はこれらの専門用語や標準の調査、機械の維持管理など、すべきことに日々追われていよう。中でも、装置の適切な潤滑は欠くことができない仕事である。適切な潤滑計画を選んで実行することで、工場は安全かつ効率的に運営され、さらにより多くの利益を生むことになる。
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P.42
Product Review-2 関連製品レビュー
水侵入の新制御法 潮解ブリーザー
ビル・ニードルマン&デイビッド・ウエブ(Donaldson)
地球は、その表面の約70%が海、湖、川を満たす水に覆われている。水はまさに生命に必要不可欠であり、産業革命の前には水車から家畜に至るまで、当時の産業や移動手段の源だった。もちろん今日の工業分野では、高性能機器が取って代わっている。そして、これらの機械の多くには、潤滑、除熱、動力変速のために、装置に油が使われている。油圧装置、蒸気・ガスタービン、エンジン、モーター、ギヤボックス、変圧器などがそれだが、生命活動の基本要素である水が、これらの装置にとっては、装置生命を終わらせる要素となり得るのだ。高性能機器にとっての2大有害汚染物質は、ごみや摩耗から生じる異物、水とされている。水に起因する問題は、腐食から始まるオイルの分解劣化や、ゲル状物質の生成から微生物の繁殖まで様々だ。
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P.45
Lubrication 101 基礎講座
電動機の潤滑
ジェレミー・ライト(Noria Corp.)
電動機に使われる転がり軸受は、メンテナンスや潤滑方法を誤ると様々な形の故障を生じる危険がある。故障の原因には潤滑剤選定の誤り、汚染、潤滑剤給脂の過不足などがある。この記事では、こうした故障モードの可能性を最小にする効果的な戦略をいくつか述べよう。ほとんどの電動機は、グリースを潤滑剤とする転がり軸受を使って設計されている。グリースは、転動体とレースの間に油膜を作って金属同士の直接接触を防止しているため、軸受の性能を左右する重要なものである。電動機の故障全体の中で、軸受トラブルが50〜65%を占めており、軸受トラブルのほとんどは不十分な潤滑によるものだ。適切なメンテナンス作業、計画と正しい潤滑剤の使用を行えば、軸受トラブルとモーター故障が減少し、生産性が向上する。
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P.49
Product Review-2 関連製品レビュー
潤滑油でコンプレッサの寿命を伸ばす
フランシス・Y・D・ホー&ジャッキー・ファン(Anderol, Inc.)
適切な潤滑剤を選んで機械を運転すれば工場収益にプラスの影響がでる。適切な潤滑管理を行えば装置寿命が延び、生産性は向上し、機械劣化にともなう不必要な修理作業を避けることができる。では潤滑剤を選ぶ時、何を考えればよいのだろうか。大事なことは、工場の運転条件にあう潤滑剤を探すことだ。適切な潤滑剤を選ぶことの重要性を理解しているガス製造会社がある。その会社は、コンプレッサ油をポリオールエステル(POE)合成オイル「Anderol BDC 68」に切り替えることで、著しい業績向上を果たした。
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P.55
Certification News ICML
ISOスタンダードを育てよう ― ICMLがしてきたこと ―
スージー・ジャメイソン(Executive Director, ICML)
機械の状態監視と診断に関するISO分科会「TC108/SC5」は、供用中オイル分析のスタンダード(規格)を作成中である。トライボロジーベースの状態監視に関するワーキンググループは、昨年、進むべき方向について、産業界からのフィードバックを世界中から得る目的で、一般的な草案を発表した。我々ICMLのボランティアメンバーは、TC108/SC5/WG4参加国の代表と協力して、この作業に取り組んでいる。以下ならびに次ページに示した表は、将来のスタンダードでカバーされるテーマについて提案されたリストで、4分野に分けられている。
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