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Lube-Tips Newsletter Japan  発信元:日本ノリア編集部
ルーブ・チップス ニュースレター
2006年5月8日 No.2
 潤滑技術・オイル分析のヒント集です!
今日の「ちょっとしたヒント」
1.新油の粘性をよく確認しよう!
2.設備を保管する際は
3.グリースのちょう度
4.油中のシリコン


今日のヒント1:新油の粘性を確認しよう!
 大型ギアボックスのメンテナンス用に、新しい潤滑油を手配し、オイル交換を実施しました。ギアボックスを再稼動した作業者は「前回の稼動時には、貯油槽がほぼ空の状態になっていたが、今回は稼動時でも貯油槽が潤滑油でほぼ満杯であり、以前より良い状況」と考えました。このためか、状況報告を怠りました。
 1週間後、ギアボックスに異常振動が発生し、ギアボックスの交換という事態が生じました。確認すると、交換した潤滑油は、粘性が不適合な油種であることが判りました。潤滑油の粘性不適合は、短期間でギアボックスに致命的なダメージを与える事実を学びましたが、支払った教訓代は、600万円以上となってしまいました。
(投稿:Lane McGuffin, Predictive Maintenance Technician, Cryova)
今日のヒント2:設備を保管する際は
 ギアボックスなどの長期保管時には、プラグ封止前に、窒素ガスや、アルゴンガスを充填することを推奨します。湿分や、気化している汚染物質を除去できるため、保管時に発生する腐食問題を劇的に改善できます。
(投稿: Porter Claytor, Maintenance Consultant, CNS Associates, LLC.)
潤滑小事典
 あなたの知識を試してください。ICML検定問題の1つです。
質問)「ピーナッツバターに最も近いグリースのちょう度は?」
   a: NLGI b: 000 c: 2 d: 5

解答はこちら

ICML検定について詳しくはこちら
読者の質問から:油中のシリコン
質問)「油中のシリコンの供給源について教えて下さい」


解答)Noria テクニカルコンサルタントチーム

 塵埃などによる潤滑油汚染状況を確認するため、シリコン分析が行われます。シリコン量は、塵埃汚染と関係しますが、塵埃以外からのシリコン供給源を考慮する必用があります。以下に、代表的な4供給源を紹介します。

1. 変性添加剤:メチルシリコン重合体を変性剤として、潤滑油に添加する場合があります。この場合、検出されるシリコンは、潤滑に対する有効物質として評価します。添加剤としてのシリコンは、分光分析などで確認でき、その量は1〜10ppmの範囲が通例です。

2. シリコンシーラント:業務用に使用されているシーラントの多くは、シリコンベースのシーラントです。シーラントの溶出量は、潤滑油中で測定されるシリコン量に直接対応します。

3. 鋳砂:砂型鋳造法(砂の主成分はシリコン酸化物)により製造した機器は、設置の際に、徹底した洗浄を行うとされていますが、新設装置の潤滑油より、50〜100ppmのシリコン量が検出される例は多々あります。このシリコンレベルは、機器にダメージを与えるのに十分です。このため、定期的なオイル交換を実施し、シリコン量を低いレベルに保つ処置を行います。

4. 冷却系からの汚染:エンジン冷却水にシリコンを含む腐食抑制剤が添加されている例は多々あります。潤滑油から、シリコン、ナトリウム、カリウム、ホウ素などが同時検出される場合は、冷却水漏洩の可能性を検討する必用があります。
シリコンのみの分析では、供給源を鋳砂と添加物に区別するのに困難な場合があります。鋳砂の主要組成は、シリコンとアルミニウムのため、シリコンとアルミニウムを同時に分析し、その比が3.4:1 に近ければ、鋳砂による汚染と考えて良いでしょう。
潤滑小事典の解答

解答)c: 2 
   (NLGIは、国際グリース協会の略称で、ちょう度番号を規定している)

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ルーブ・チップス ニュースレター
2006年5月22日 No.3
 潤滑技術の世界を覗いてみませんか?
今日の「ちょっとしたヒント」
1.工場の安定操業は美化運動から
2.開放型ローラチェーンの潤滑
3.遠心セパレータの潤滑油
4.残油寿命の定量化試験


今日のヒント1:工場の安定操業は美化運動から
 工場などの生産現場では汚染源が多く、潜在的な汚染の特定がとても難しくなります。生産現場を清潔に保つには、設備の所有者が、貯水槽、システム部品、パイプラインなど、周辺設備の清掃を的確に行うことが重要です。この工場では、周辺設備の清掃が適切に行われているため、漏出、流出、システム異常の状態の察知・特定が早く、重大災害・工場 停止などの問題は起こしていません。
(米国のことわざに“ガラステーブルのピンは簡単に見つかるが、干し草の山のピンは見つけ難い”とあるように、清潔な状態では問題点がすぐに見つかり、それにつながる事故を事前防止しています)
 工場を清潔にする習慣は、所有者の誇と従業員のモラルアップにつながります。工場美化を方針に明記し、改善を推進してください。
(Scott Robertson、Performance Engineering Team Leader、Transfield Services)
今日のヒント2:開放型ローラチェーンの潤滑
 厳しい摩耗雰囲気で使用するチェーンの潤滑は難しく、改善には挑戦が必要です。チェーン潤滑のため、少量の潤滑剤が各リンクのピンとバーレル間に供給されます。 適切な位置への直接の潤滑剤注入は、構造上不可能であるため、稼動中のチェーンに潤滑油槽を通過させる、スプレー供給する、滴下供給する、摩耗面以外に潤滑油を塗布しそこから供給させるなどの方法を試みます。
 チェーンはゆっくり動くため、潤滑油槽は実用的・有効な手法の1つですが、適切な穴レベルまで油面を維持すること、流出する過剰な潤滑油の掃除に対する配慮が必要です。
 チェーンは、潤滑油種を気にせず注油される傾向があります。ゆっくりと動作し荷重条件の厳しいチェーン潤滑には、高粘度の潤滑油を必要とします。中型ギヤ用もしくは高粘度作動油の選定が一般的です。
 チェーン外部で潤滑油コーティングが固化・蓄積し、潤滑油流路を閉塞させる場合は、間欠的な再潤滑の手法として、内部のコンポーネントに潤滑油を注ぐ場合があります。潤滑油が固化・蓄積した場合、含まれる大気中からの汚染物質によっては、スプロケットとバーレル間の研摩剤として機能する場合があります。
 前述の状況では、表面に薄膜を形成する添加剤と、軽質・揮発性の添加剤が含まれる潤滑油が、適切な候補となります。軽質油は、固体の添加物を伴い、接触点まで到達します。固体添加物は、キャリアが置換した乾燥薄膜形成後も残留し、保護性を保ちます。さらに、チェーンの外部の汚染は、膜形成のない潤滑油に比べ、低減することを付け加えておきます。
Noria テクニカルコンサルタントチーム
潤滑小事典
 あなたの知識を試してください。ICML検定問題の1つです。
質問)「遠心セパレータを駆動させるため、適しているのは、高粘度の潤滑油、低粘度の潤滑油、どちらですか?」

解答はこちら

ICML検定について詳しくはこちら
読者の質問から:残油寿命の定量化試験
質問)「RPVOTとは何ですか? 活用のメリットは?」


解答)Noria テクニカルコンサルタントチーム

 ASTM D2272、RPVOT(Rotating Pressure Vessel Oxidation Test)は、潤滑油の酸化安定性を評価する試験です。RPVOTでは、FTIRなどの試験で評価する酸化レベルの測定とは対照的に、全酸価、粘度、および他の試験などによる潤滑油の実際の酸化に対する抵抗(基油健全性や残存する酸化防止剤の濃度の組合せ)を測定します。
 潤滑油の劣化が機器に有害な状態となる前に判断情報が得られるため、RPVOTは、より予防保全的なアプローチです。潤滑油量が多く再生が少ない潤滑油管理条件や、過酷な運転条件などへの適用が有効です。
 結果は数分で得られ、新油のRPVOTと比較されます。新油の分析値を基準値とし、PRVOTで得られた値の比率を残存耐用年数(RUL)とする場合もあります。通常、40%が警告限界で25%が使用限界とされますが、異なる運用をする例もあります。
 警告限界までは比較的長い時間を要しますが、警告限界から使用限界へは、比較的短い時間で到達しますので、要注意です。
潤滑小事典の解答

解答)低粘度の潤滑油

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