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  2006年開催セミナーレポート
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《Noriaセミナーレポート》
数百の事例から学ぶ“実践”

マシナリー・ルブリケーション編集部

 日本ノリアは、2006年8月と10月、潤滑技術とオイル分析のパブリックセミナーを計4回、東京・機械振興会館にて開催した。Noria社からJim Fitch(ジム・フィッチ)を招き、世界中で開催されている「マシナリー・ルブリケーション レベルI」と「オイル・アナリシス レベルI」を逐次通訳を介して忠実に再現、日本版として提供した。全世界でリスペクトされているこのセミナーは、国内でプロモーションを始めてわずか数か月であったが、総参加者数は、120名を超えるまでになった。
 ジム・フィッチは、潤滑、オイル分析、トライボロジー、機械故障の調査において、現場で豊富な経験を積んでいる。過去20年以上にわたり、これらのテーマについて何百もの講義を行ってきた。例えば、Michelin Tire、Timken Bearing、John Deere、Caterpillar、Duke Energy、EPRI、ExxonMobil、International Paper、Cummins Engine、NASA、U.S. Steelなどを含む北米のトップ企業・組織の数千人のエンジニアをトレーニングしている。
 潤滑技術に携わっている読者諸氏なら、米国NPO組織のInternational Council for Machinery Lubrication(ICML)の存在をご存知だろう。Noriaの3日コースを習得すると、潤滑専門士として国際的に認定されるICMLの資格試験を受検資格を得られることが知られている。2000年に設立されたICMLは、機械の潤滑技術、オイル分析の分野において技術認定を行っており、ワールドワイドで千人以上の合格者を輩出している。さらに、ISOの分科会(TC108/SC5/WG4)において、潤滑油分析士の国際資格認定試験の導入を推進するボードメンバーの一翼を担っている。数年後、ISOの資格認定制度が国際標準として認められれば、ICMLで認証された資格は、ISOの認めた資格として相互認証される予定である。



日本の化学反応は?
 「非常にエキサイティングな体験となった。日本には日本の“化学反応”がある」。セミナーを終えたジム・フィッチは、このように述べた。8月、10月の参加者はいずれも、それぞれの現場の問題に直面し、解決すべき課題を抱えているエンジニアでであり、「極めてレベルが高い」という。Noriaのセミナーはインタラクティブに行われるため、受講者の反応が手に取るようにわかる。Noriaから知識を得ようとする受講者の気迫が講師にも伝わり、それが“反応”して、いずれのセミナーもいい緊張感に支えられていた。  Noriaのセミナーは、基本的に“事例”をベースに構築されている。潤滑技術をいかに適用して、あるいは最適化して成果を出したか、という実例だ。“いつ、誰が、何を、どのように?”が明快に語られる。例えば新日本製鐵、川崎製鉄、Baltimore Gas & Electric社、Chevron社、BHP社、GM社といった企業の改善例や、原子力発電プラントのクーラントポンプ、製紙機、大型天然ガスコンプレッサ、ボイラー供給ポンプ、ガスエンジン/コンプレッサなど、アプリケーションごとの改善例を紹介しながら、受講者に「なぜ?」、「どのように?」と問いかけていく。


 また、基礎知識を深めるための情報も豊富だ。「潤滑とは?」、から始まり、基油、増ちょう剤、添加剤、粘度/粘度指数といった基本中の基本から講義に入るため、初めての受講者にも親しみやすい。直感的に理解できる図を多用し、結論を受講者の記憶に留める工夫が随所に見られる。オイル分析とは、「オイルの言いたいことを聴けていますか?」ということ(図左上)。使用中・使用済みの油には、沢山のメッセージがある。それを聴くために耳を傾けよう、ということだ。
 講義が進むにつれ、効果的なメンテナンス技術導入のコンセプトとそのノウハウを掘り下げる内容となっていく。Noriaでは、最先端のメンテナンス技術として、原因除去型保全(Proactive Maintenance)を推奨している。状態基準保全(CBM:Condition-Based Maintenance)を発展させた究極の姿である。根本原因を突き止め、潤滑油の粘度、酸価、汚染などを常に監視し続けることで、一切故障がなく、とことん設備・機械を延命させることができる。この理想形に到達するためのセミナーとも言えよう。
 受講者の質問やコメントも多彩だ。「このサンプリングと同様のことを行ったが、この結果と異なる。なぜか?」、「このリリーフプラグを開放すると、グリースが汚染してしまうのでは?」、「この排出バルブは何のためにあるのか?
設計上不要では?」など、エンジニア同士の議論のレベルから、データ解釈、キーワードの確認、推奨できる分析装置や材料、コンポーネントに至るまで、細部にわたるQ&Aが続いた。
 Noriaの講義はISOスタンダードを基準に進められるため、NAS、JISコードとの整合性を取る必要性も生じた。セミナー期間中に、急遽、JISとISO規格コードの相対表を配布する一幕もあった。


日本のセンスで洗練させていく
 受講者の参加目的は、「社内での保全方法を改善するため」、「潤滑診断技術を深めるため」。さらに、ここ数年で一斉導入の機運が高まってきた「CBMプログラムへの理解」、そして、「ICML資格取得」が大半を占めた。
“潤滑専門士の地位と意欲の向上”を実現するため、北米主導で立ち上げたNoriaのパブリックセミナーであるが、日本の潤滑技術のレベルがトップクラスであることは周知の事実。今後このセミナーは、日本のセンスを吸収することで、教育プログラムとして一層洗練されていくことになろう。

(マシナリー・ルブリケーション Vol.3 2006年 11-12月号に掲載)

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  講師紹介
  Jim Fetch  
Jim Fitch
President & CEO / Senior Technical Consultant

ジム・フィッチは、潤滑、オイル分析、トライボロジー、そして、機械故障の調査において、現場で豊富な経験を積んでいます。過去20年にわたって、これらのテーマについて何百もの講義を行ってきました。ほんの一例ですが、Michelin Tire、Timken Bearing、John Deere、Caterpillar、Duke Energy、EPRI,、ExxonMobil、International Paper、Cummins Engine、NASA、U.S. Steelなどを含む沢山の企業・組織から、コンサルタントとして期待されています。執筆も多数手がけており、
Practicing Oil AnalysisMachinery Lubrication の編集長を務めています。2002年以降は、米国NPO組織であるInternational Council for Machinery Lubrication(ICML)のボードメンバーに着任しています。また、2005年まで、ISOのTribology and Oil Analysis Working Groupの取りまとめ役を担ってきました。1997年にNoria Corporationを設立、以後、同社のトップとして、さらに、シニアテクニカルコンサルタントとして、世界各国で活躍しています。   プロフィール詳細  Email
Jim Fetch
2006年10月 金沢(ASIATRIB 2006に参加)


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